ついに3DプリンターのANYCUBIC i3 Megaを導入したので、そのセットアップを全公開します。
ANYCUBIC i3 Megaを選択
3Dプリンターをゲットしようと決めてから、どのプリンターがいいのかいろいろと調べて悩んでいました。
はじめての3Dプリンターなので、なにがいいのかさっぱりわからないため、基本的な情報収集からはじめました。
ラズパイやmicro:bitなどのケースや、工作部品などを3Dプリンターで出力したいので、それにあったものを探しました。
それから、家庭用なのでそんなに高くないものも考慮の1つです。
最近では3Dプリンターの価格も一般的なカラープリンターの価格とそれほど変わらなくなってきているのに驚きました。
それでいてそんなに性能は悪くありません。
でも3Dプリンターそれぞれに機能や特徴があり悩んでしまいます。
そんな中で今回重視したのは以下です。
・3Dプリンターが独立して動作可能
・価格と性能のバランス
・実際に使った人や比べた人の評価
1つ目を重視した理由は、3Dプリンターは出力するものによってはとても時間がかかるので、パソコンを繋いだ状態で出力するのはあまり良くないのではないかと思いました。
レジューム機能で、中断したところから再開もできるようですが、なんだか理由もない不安感があったので独立して動作するものを重視しました。
2つ目を重視した理由は、最近は安価になっているといっても、期待通りの出力ができないと意味がないので、その性能と価格のバランスを重視しました。
といっても、3Dプリンターの詳しいことは全くわからないので、基本機能や使用できる素材を見比べた感じです。
3つ目を重視した理由は、詳細の技術的なことはわからないので、いろんなレビューをチェックして、満足度の高いプリンターにしようと考えました。
その中にはトラブル対応のサポートについても情報のある製品がよかったです。
そんなこんなで、今回選んだのが「ANYCUBIC i3 Mega」です。このプリンターは中国製ですが、使っている人の評判がすこぶる良いです。
また、サポートも日本語で対応してくれて、つたない日本語なんですが一生懸命に対応してくれているのがわかる内容です。
実はさっそくプリンターからSDカードに保存している出力データ(gcodeデータ)が読めなくてトラブっていました。
夜遅くにメールしてもすぐに返事が返ってきて、確かにつたない日本語ですが懸命に回答してくれているので好感が持てました。
結局このトラブルはSDカードをもう一度Windows10でフォーマットし直すと認識できるようになりました。
セットアップ
ということで、いよいよANYCUBIC i3 Megaのセットアップを全公開します。
このプリンターは中国製で日本語のマニュアルは同梱されてなかったので、この記事が誰かの役に立てればと思います。(日本語マニュアルが同梱されていた人もいるようですが、今回はされてませんでした・・)
梱包内容
まず配送されてきた箱に入っているプリンター本体と付属品です。
プリンター本体は少し組み立てる必要があります。
中には複雑な組み立てが必要なプリンターもあるようですが、このプリンターは簡単に組み立てることができます。
ですが、はじめてなので少し不安な気持ちでしたが終わってみると誰でもできるレベルだったように思います。
こんな箱で配送されてきました。
箱の中身は2層になっていて上は本体のヒートベッド部分と付属品です。
下はノズルと付属のPLAです。PLAは1kg付属しています。
付属品はユーザーマニュアル(英語)や電源コードなどなど以下のような感じです。
この中で組み立てようボルト、PLAなどの素材台、SDカード、スクレイパー(鉄板焼きのてこのようなもの)以外はUSBケーブルや予備部品なのですぐに使用することはありません。
本体組み立て
これらを箱から取り出して本体を組み立てていきます。
箱に入っている状態では本体ヒートベッド部分とノズルのアーム部分と別れているのでこれを組み立てます。
本体ヒートベッド部分はこんな感じです。全面に操作パネルが装備されています。
単独で操作できるようになっているんですね。
ノズルのアーム部分をこのベース部分と組み上げるのですが、その前に先にヒートベッド台の上にプラットフォームシートというものを貼り付けます。
この上に造形物が出力されるんですね。
今回使ったのは3Mのプリンタープラットフォームシート3099ABというものです。
こちらは別売りなので、別途用意しておきましょう。
このシートを以下のようにヒートベッド台に貼り付けます。
貼り方はシートの袋裏面に詳しく書いています。
スマホの保護シートを貼るのと同じような感じです。
そして本体ヒートベッド部分にノズルのアーム部分を接続します。
以下のようにボルトで固定していくだけです。アームの向きは製品名が書いてある方が表(パネルのある方)方向に取り付けます。
固定したらこんな感じになります。
次にノズルのアームから出ているケーブルと本体を接続します。
ソケットが3つあるので以下のように差し込んでいきます。
上から順番に赤->緑->黒と付けていきました。
順番は関係ないので、正しい向きでしっかり取り付けていきます。
そして、初期状態では220Vになっているので日本では動作しないため、これを110Vにスイッチを切り替えます。
細いマイナスドライバーなどでスイッチを切り替えてください。
スイッチは本体左側にあります。
そしてノズルがヒートベッドと水平になるように高さを調整します。
ここではデジタルノギスを使って高さを調整しています。
デジタルノギスは以下のようなものです。
別売りなので別途用意しておきましょう。
以下画像の赤枠部分の左と右の高さを同じに調整します。
右と左とデジタルノギスで高さを図って同じ数値になるよう調整します。
アームの下部にある黒い部分を回して高さを微調整します。
これで組み立ては完了です。ここまでどうでしょうか?それほど難しくないと思います。
これで電源を入れて出力できるようななったのですが、造形物を出力するためにはフィラメントを挿入する必要があります。
フィラメント挿入
ここではプリンターと同梱しているフィラメントを使います。
素材はPLAです。
同梱していたのは黒ですが、他にも何色かあるのでお好きな色を選んで使ってください。
まずはフィラメントを置く台を組み立てます。
アクリル製の部品を組み立ててフィラメントを置けるようにします。
細いボルトとナットで固定するのですが、接続部分は工夫がしてあって一瞬悩んだので以下の画像を参考にしてください。
組み立てた土台にフィラメントを以下のように置きます。
そしてフィラメントを挿入します。
設置したロールからフィラメントの端を取り出し、まずはフィラメントセンサーにフィラメントを通します。
フィラメントセンサーは丸い金属部分が本体からの突起部分に磁石で取り付けれるようになっています。
そしてノズルアームに挿入していきます。
挿入口の部分を指でグッとつまんでフィラメントが穴を通るようにします。
この時点ではフィラメントは白いパイプから見えるようになるまで挿入します。
ここまでできればほぼ準備完了です。
まだ少しやることがあるのでほぼ完了となります。
出力
出力するために電源ケーブルを本体とコンセントに接続してください。
造形物を出力するためには、以下2つの準備が必要です。
・ヒートベッドが水平になるように微調整する
・フィラメントがノズルから出るように調整する
ヒートベッドの調整は以下の手順で行います。
- 本体の電源を入れて、パネルにメニューが表示されたら、「Tools」ー「Home」ー「Home All」を選択します。これで各軸が原点に戻ります。
- その後、「Setup」ー「Mortor」を選択しノズルを自由に動かせるようにします。
- ヒートベッドにA4の紙を置いてノズルをヒートベッドの四つ角と真ん中に手で移動させながらノズルとベッドの間を調整します。間の距離はおおよそ0.1mm〜0.2mmがベストだそうです。A4の紙が少しこするくらいがいいようです。
高さの微調整はベッド四隅の下にある調整ネジで行います。
フィラメントがノズルから出るようにするには以下の手順で行います。
- 組立時にフィラメントを挿入したときと同じようにフィラメントを穴にノズルアームの挿入口から入れて、今度は奥まで挿入していきます。
- パネルでノズルとベッドの温度を上げます。「Tools」ー「Preheat」ー「Preheat PLA」を選択します。すると温度がどんどん上昇していきます。既定の温度に達すると予熱完了です。既定の温度はデフォルトでノズル200度くらいでベッドが110度くらいかと思います。温度設定は変えずにデフォルト設定で大丈夫です。
- 予熱が完了したらフィラメントを押し出してみます。パネルで「Tools」ー「Filament」ー「Filament in」を選択します。するとノズルからフィラメントが出てきます。出てくると正常なので「STOP」を押して動作を止めて、押し出された余分なフィラメントを付属のピンセットで取り除いてきれいにします。
これで出力準備は完了です。
最後に出力する造形物のデータが入ったSDカードを本体に挿入します。
出力データはファイル名が.gcodeです。
ここでは同梱されているサンプル「Owl_pair.gcode」を使用します。
SDカードは本体右側に挿入口があります。
パネルのメニュー画面の「Print」を選択するとSDカードのファイルリストが表示されます。
そこから出力したいファイルを選択して「PRINT」をクリックします。
するとプリンターが造形物を出力し始めます。
サンプルのフクロウが出力されるまではおおよそ1時間半かかりました。
はじめてなので戸惑うことも多かったですが、比較的スムーズにできたかと思います。
ノズルの高さなどの微調整をうまくすればもっときれいに出力できるそうなのでこれからいろいろ試してみたいと思います。
動いているところの一部を動画にしてます。参考にどうぞ。
トラブル発生
Anycubic i3 Megaにトラブルが発生しました。
どんなトラブルでどんな対応しているのか、興味がある方はどうぞ御覧ください。
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