Scratch3.0が2019年1月3日に公式リリースされました。Scratch3.0で何が変わったのか見てみましょう。
昨年中はベータ版として公開されていたScratch3.0ですが、今年になってすぐの1月3日に公式リリースされました。
Scratch3.0はユーザー目線では大きな変更は無いようですが、画面やブロックの一部デザインや使い方などが少し変わっている箇所があったりするので、今わかっている内容をまとめました。
インターネット接続サービスとデスクトップアプリ
Scratch3.0を利用するには前バージョンと同じように公式サイトへアクセスする方法とデスクトップアプリをインストールする方法があります。
インターネットに接続できる環境で利用するときはブラウザを使って公式サイト(https://scratch.mit.edu/)へアクセスすればこれまでと同じく作成したアカウントでサインインして利用できます。
もちろん、サインインしなくても利用可能です。
サポートされるブラウザは以下です。
デスクトップ
- Chrome (63+)
- Edge (15+)
- Firefox (57+)
- Safari (11+)
- Internet Explorerはサポート対象外
タブレット
- Mobile Chrome (62+)
- Mobile Safari (11+)
とうとうIEがサポート対象外となりました。
モバイル版のChromeとSafariブラウザにも対応しています。
なのでタブレットでも使うことができます。スマホでも動作はしますが、画面が小さすぎて使えません。
Scratch3.0からFlashPlayerは必要ありません。HTML、CSS、JavaScriptで記述されています。
そして、ブラウザを使わずデスクトップアプリをインストールして利用する方法は、インターネットへ接続できない環境でも利用できる単体のアプリとなっています。
必要条件として利用できるパソコンが以下となります。
- Windows10以上
- macOS 10.13以上
デスクトップアプリをインストールするには、まず以下からアプリをダウンロードしてインストールします。
ダウンロードページ(https://scratch.mit.edu/download)から対象となるOSのアプリをダウンロードします。(Windows: ~.exe, macOS: ~.dmg)それぞれ指示に従ってインストールしてください。
Scratch3.0からAdobe AIRは必要ありません。
単体でインストールするとそれだけで使うことができます。
Scratch3.0で変わったところ
基本的に使い方は前バージョンと同じです。
全体的にUIが変更されていたり、細かな機能が追加・変更されています。
ここではよく使うだろうと思われるところと、特徴的な内容を掲載します。
最初の画面でスプライトを操作するのに一瞬戸惑います。全体的なUIは以下のように変更されています。
コーディングはこれまでと同じようにできます。
ブロックが以前より少し大きくなって、全てのブロックが画面の縦スクロールで見れるようになり使いやすくなっています。
コスチュームのペイントエディタではベクター画像でも消しゴムが使えるようになりました。
また、エディタで編集している画像を前面や背面に配置を変えることもできるようななっています。
色の指定方法も変わっています。
音については、効果の設定内容が変わっています。
ブロックの気になった変更
Scratch3.0からスクリプトという言葉が無くなっています。
「コード」タブに名前が変わっています。確かにこのほうがしっくりくるような気もします。
ここではブロックを使用するのに気になった変更を記載します。
「調べる」ブロック
前バージョンでスプライトの情報と取得するブロックの内容が少し変わっていて、ブロックにある書き方が逆になっていたので一瞬戸惑いました。
前バージョンではこのようなブロックだったのですが、
Scratch3.0でこのようなブロックになっています。
一見同じように見えますが、この項目の意味合いが逆になっています。
ここではわかりやすくするために、項目の内容をあわせていますが、初期状態のブロックを見ると以前のブロックが無くなっているかのように見えて一瞬戸惑いました。
変数のリストブロック
Scratch3.0では作成したリスト中の指定項目のインデックスを取ることができます。
動きブロック
動きブロックに「〜秒で〜へ行く」ブロックが追加されています。
これを使えば座標を使わず1つのブロックで〜秒で対象のスプライトやマウスポインターへ移動させることができます。
ペンブロック
ペンブロックが拡張機能に移動しています。
デフォルトではブロックのリストに表示されていないので、削除されたように見えますが拡張機能から追加することができます。
拡張機能
Scratch3.0では拡張機能が強化されています。
いくつか機能が追加されていますが、どの機能もとても面白そうです。
先程も説明しましたが、ペンブロックは拡張機能に移動しています。
その他、AmazonやGoogleが協力している「音声合成」「翻訳」機能もあります。そしてmicro:bitを接続することも、LEGO マインドストーム EV3を動かすこともできます。
まだ実際に使ってないので具体的な内容はわからいので、後ほどこれらのブロックについてもより具体的に掲載していきたいと思います。
まとめ
全体的には使い勝手もそれほど変わらずこれまでと同じように利用できます。
前バージョンのプロジェクトファイル(〜.sb2)を読み込んで実行できますし、前バージョンで作成して公開したプロジェクトも実行できるようです。
ただ、前バージョンで作成したものを全て読み込んで実行したわけではないので、全てが正しく動作するかどうかはわかりません。
互換性に関する記述は特に見当たらなかったので不明です。
特に複雑なコーディングをしているようなプロジェクトは一度動作確認するために実行してみたほうがいいと思います。